【AWC2015解説】 ahq e-Sports Club vs F4E – 3rd map(IND前編) 【準決勝】

INDIAの特徴

INDIAのマップ特徴は、1のほうが取り返しづらい。よって守りは1を固めて2を薄くしがちという展開になりやすい。もしも2側にプッシュがあったとしても、2にC4があって確定という話でなければ1をがら空きにすることはほとんどない。

攻め側からすると1と2の分岐点であるセンターからダクトを経由して1中に入れてしまうため、へたにリスまで出てしまうとちゃっかり1中に入られてロックされてしまうことになりかねない。

INDIAの1の取り返しにくさは他のAVAのマップと比較しても随一であり、「絶対に1中を空けるな」と上級者なら口を揃えて言う。

1R

初動察知を早めるポジションを取って敵の動向を探るF4Eに対し、1側に固まるahq。油田階段は煙UAVでクリアリングを進める。油田階段は中腹付近までは油田有利で撃ち合えるが、それより下段は階段が有利である。たとえジャンプで飛び込んでもFBを入れても結局階段下からは撃ち落とされるリスクが高く、煙で射線を切って入るのが常套手段である。

DPowerはダクトから1中のBoboboと交戦を交え、ダクトから入るかのような煙を1つ焚く。

「油田階段に煙」と「ダクトに煙」ということは1攻めの可能性が濃厚であり、当然F4Eは寄る。1は2人では心もとない。なぜなら油田階段を1人、ダクトを1人で守るということであり、お互いのカバーが期待できないからだ。1中を攻められる危険があるなら最低3人、できればすぐ寄って4人で守るくらいの体制を築いていきたい。

DPowerがダクトに煙を焚いてから5秒後にはTakiは1中に入っていることが見て取れるが、ahqが取った行動は2への移行だ。

センターを経由しないのは1中に足音を聞こえないようにさせるため、ダクトから裏を取られるリスクを減らすため、敵リスと交戦する危険を減らし2察知を遅らせるためといった複数のメリットがあるが、2寄りに時間がかかること、U字を詰められていると怖いといったデメリットもある。

とは言え、時間がかかったところで1釣りの2なのか、それとも1が本命で焦らしているだけなのか、守っている側にはわからないことなのであり、本来の配置にまで戻ることはあまりない。またU字を詰められていたとしても、4人もかけているならば交戦して倒してそのまま一気に2になだれ込めばよい。

ahq最後尾のBowが遅れながらも小螺旋をクリアするためにセンターを通るも、Apina-SRが撃ち落とす。このキルを受けてF4Eは「ahqが1から2にシフトしている」と認識し、rionは1から2に戻り始める。しかしahqはすでに砂場に入る直前であり、2ラッシュ自体は決まる格好となっている。

見ればわかる通り砂場はFBに滅法弱く、何もさせてもらえない。そのまま2中に入るも、F4EのApina-SRが光る。2連続キルでラッシュを止め、後続ARにつなぐことができた。これがもし1人目に撃ち負けていたとしたら、2連通に煙を焚かれてウラ取りも警戒されて非常に苦しい取り返しになっていたことは言うまでもない。Apina-SRのファインプレー。

2R

ahqとしては2側をApina-SRに止められたとは言え、守りが薄かったのは事実。
そうなれば2側を本命に攻めたいと考えるのは自然なこと。そうは言っても初めから2しか狙わないわけではなく、1の逆詰めに備えて47xは油田で微妙にアクションをかけつつ待機する。47xは以前の大会からしても作戦的な単独行動が多く、1人で判断できる能力と際立ったAIM力を持つ超人プレイヤー。

定番の砂場の煙が焚かれ、2中入り口にも焚かれたことを受け、TakiとApina-SRの配置を入れ替える。そこでApina-SRに前のラウンドでのキル印象が残っているためか油断が出る。

F4Eとしてはセンターが倒されたのでカバーに入らねばならない。油田に1人いたことを知っているF4Eは、「油田階段」と「センターが引いてのダクト」からの1挟みを警戒しなければならないので、1からリスのカバーを要求するのは酷。2連通からセンターをカバーするのも当然ながら2中を取られる危険が高く厳しいものがあるが、「1と2とどちらを取られるほうがマシか?」と考えれば、1は固く、2は薄くしておくのがセオリーなのである。

ahqの2攻めは、ahqのFBに対して飛び出したTakiが横を取る形となり、これほどまでに綺麗に決まるかと思えるくらいの連続3キルが発生し形勢は逆転した。

砂場での足音からこれは1ではなく2が本命であると判断したときに、rionがセンターではなく2中に入っていること、Clutchがダクトから裏を取る準備が万端なことを見逃してはいけない。ダクトから出るのは油田にいた敵のことを考えるとリスキーではあるが、すでに状況は4on5で不利であり、多少のリスクを織り込まないと2を取りにきた敵の裏を取ることが難しい。

たとえば、2中の味方が交戦して2対5の状況で2キルを取って取られて3人が2中にINしたとする。残った2人vs体制の整った2中の3人ということになれば、これはかなり厳しい。ところが、リスクを負ってでも早め寄りができれば、裏取りを含めた2on4の状況を作ることができる可能性がある。

1中からリス経由で2連通に寄るのと、ダクトから出てすでに2寄りの準備をしているのでは敵と交戦するまでの時間が変わってくる。時間にすればわずか2~3秒ほどかもしれないが、それくらいのシビアな時間差で味方の援護が間に合うか間に合わないかが変わってくる。ひいてはラウンドを取れるか取れないかに関わってくるのだ。

3R

敵の裏をかいたり、人数有利を作って薄い2を攻めているはずなのになぜかラウンドを取りきれないahq。「タイミングが悪いのか?」という考えが頭をよぎるなか、「F4Eが2守りが得意なのか?」とも思う。一度、1を攻めてみようとする。

F4Eは陽動のためにApina-SRの配置変更を入れていく。はしご下の足音の多さに気づいたBoboboがダクトを警戒して決め撃ちを入れるも、DPowerの決め撃ちに逆に倒されてしまう。

Boboboのデスを受け、1中に全速力で寄るF4E。ahqは1を攻めたいなぁと考えているときに願ってもない先制キルが発生したことで波に乗る。そのまま一気に1を畳み掛けていく。

全員が1に寄るのはさすがに不味いんじゃねえの!?と一瞬rionが2に行こうとする動きが見えたりもするものの、1中に投げ物がバンバン入ってきていることを受けてやはり1へ。

一見、Clutchが単独で無駄死にしているように見えるこの場面、しかしこれは味方のことを考えての行動であることを補足しておく。というのも、もしも1中に入ってすぐこのような配置を取っていたらどうなっていたか?後続の味方の居場所がないのである。

同じポジションについてはグレを避けづらくなるし撃ち合いづらくもなる。TKのリスクも高まる。かといってリス側にいては援護もできず煙で分断されて1中を取られて終わりのイメージが強すぎる。

そう考えると、後続の味方がポジションを取れること、前目でいくらかでも交戦しておくことで後続の2人が1中に入るまでの時間を稼げること、敵の入ってくるタイミングをズラすことを目的として油田階段まで詰めておくことには価値がある。

ここからApina-SRの耐えで2kill、rionの2killが発生し、人数有利を作りラウンドは勝利する。単に撃ち合いが強いだけでなく、そういった目に見えづらい”判断”ができるプレイヤーで構成されていることがF4Eの強さの下支えとなっている。

続きます。

【AWC2015解説】ahq e-Sports Club vs F4E – 3rd map(IND中編)【準決勝】
 4R 1を止めたことで2読みで守るF4Eに対し、ahqはその通り本命は2攻めである。しかし単純な2攻めは行ってこない。ahqは1R目で見せたように1攻めをするかのように見せておくのが非常に上手い。1に行くぞ!という殺気が伝わってきて...

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