【AWC2015解説】 ahq e-Sports Club vs F4E – 2nd map(AS前編) 【準決勝】

1R

1R目から臆することなくセンターを詰めるDPower。特に情報もないままスムーズに詰めていること、2.0Manが合わせのグレネードを放っていることから、DPowerのひいてはahqの得意とする動きであることがわかる。F4Eの投げた煙が後続の47xの援護を断つ形となり、食って食われての1:1交換。

通常、センターを詰めてるという情報が入った場合、1連通の手前、この場合でいえばBowの位置は手薄なことが多い。というのも、「センターを詰める=カバーがステージに1人入る」という暗黙の了解のようなものがあり、2側に少なくとも1人割いてることを考えると、1側には多くて2人ということになる。

ステージにいる場合、連通を見ることもできるがセンターと交戦しているあいだは横を取られるリスクのほうが高い。そのため少なくとも1人は連通守りに配置されるのだが、連通であまり前目で守ってしまうと、もしも味方のセンターが倒されたときに1側と2側を分断される形となり、1中経由かウラ取りでしか2に寄ることができず非常に遅れを取ることとなる。かといって1連通からセンターと撃ち合うのはリスクが高すぎる。

 

以上のことからリスクを取らず1連通で引き守りをすることが多い。

よくあるのはこんな感じ。(例)

ところが、ahqはBowが単独で前に出て、資材の敵を確認しに行っている。ここにはahqの特徴的な守り方とも言える要素が含まれている。ahqはライフル陣の高い個人技を利用し、単独だとしても前に出てマップの把握状況を高めることで早い寄りを実現している。

この場合も、1側はBowが資材を確認しているし、2側もAfteR-SRが単独で確認している。

 

F4Eとしては、「センター詰めなら1連通は前目にいないだろう」という日本的な発想で集中力を抑えながらクリアリングしてしまう。その結果、Bobobo、rionが立て続けに倒される。銃声を聞いて2.0Manが寄ってくる。音に対する反応が良い。

ahqが1本リード。

2R

どうしてもマップが変わるといつも通りの動きをしたくなる。しかしこれは世界大会であり、相手は日本のクランではないから、その場その場で相手に合った動き方に変えていかなくてはならない。

1マップ目で相手が前目でクリアリングしてくること、寄りが早いことを痛感しているはずなのに、マップが変わってどこか忘れがちになってしまっていたのだと思う。しかし1R目でそれをもろに再認識させられたことは、「ラウンドを取られたとはいえ良い教訓になった。ここからは絶対に油断をしない。」という想いを感じる。

 

さて、ahqは2R目も同様の初期配置を取る。しかしF4Eは2が早い。2を薄く守っていたahqは、2連通経由ですぐさま2中にカバーに入る。同時に1連通も鉄板まで引く。ここまでは定石通り。得意ポジションのDPowerは居座り、人数不利をなくしたい構え。

しかしDPowerは、半身でApina-SRを察知し、逃走する。SRとは基本的に交戦しない。戦うとしたら、もっと狭かったり横を取れたりするような場所を狙う。

F4Eとしては、AfteR-SRを倒しているので、こちらのApina-SRを活かして2に行きたいところ。それに感づいてBowは2に寄りやすいように1側のなかでも一番2に近いところまで寄っている。DPowerは万が一、1攻めだったときのために察知を早めている。

このあと、Clutchの砂の足音がDPowerに聞こえた。その瞬間、ahqは大きく配置を変える。なぜなら1攻めの場合、1連通の前目までを取ってからセンターが出てきて、合わせて1連通経由で1中に入るのが基本であり、1連がどうなっているかもわからないのにセンターに出てくるのはリスキー。

1連を無警戒でセンターに出てくるとすれば、2連通とコの字の2挟みが濃厚となる。

それにしてもahqは判断も早ければ動くのも早い。この形での守り方、そこからの派生系を何度も繰り返し実戦で使って練習してる動き。

そしてここからはお互いに正面からのガチンコ撃ち合い。日本のエース級ARのrionが47x、続けて2.0Manを倒し、コの字から来たApina-SRが寄ってきたBowを倒す。

rion先生の撃ち合い方のコツはこちら

 

3R

ahqはセンター詰めが基本形なのかと思わせるほどの詰めっぷり。47xとAfteR-SRの位置が大きく変わっており、2のコの字最速を警戒してARを置き、SRを動きやすいカバーの位置に移動させた。

ASLANはAIRPLANEと少し似ていてSRで交戦しやすいレンジが多い。そのため、攻め側としてはSRとぶつからないように攻めていきたいと考える。そのため、クリアリングの順序としてはコの字を安全に取りつつ2の様子を探り、SRがいるかどうかを確認する。いなければ1連手前まで取る。センターに煙を焚いてステージまで取る。というところでどこかしらでSRとコンタクトする。

F4Eの攻め方は無理をせずに人数をかけて確実にエリアを取りに行くというもので、敵とはあまり積極的に交戦しない。足音も立てない。敵にどこまで進行してきているかわからせないまま、無音のプレッシャーをかける。

対するahqの守り方は、全体的に前に出て守り、敵の様子を探って、来そうなところを厚くする。

 

F4Eは1連通を攻める。Takiはインコース、rionはアウトコースを通る。これは交戦の順番として必ず守らなくてはならない。

rionとBowが戦っていて弾数が少なくなった、または引き際のタイミングでTakiがインコースから飛び出す。交戦壁までの距離が近ければ近いほど体感での速度が上がるので、BowはAIMが追いつかない。カバーに来た2.0Manに対してはrionがそのまま援護をする。

理想はこういう交戦ラインを引くことだったが、実際には2.0Manに飛び出した直後に撃ち落とされてBowを撃つことができず、rionも撃ち負けてしまうこととなった。

ahqが1R目と同様の配置であればまだワンチャンスあったものの、このラウンドではAfteR-SRも鉄板に控えているのであり、狙い所が悪かった。

 

4R

そもそもなぜBowはあれほど前に出てこれるのか?それはセンターが前目で守っていることにより、連通で裏を取られる可能性がゼロであるからだ。もしもセンターがステージまで取られているという状況であれば、とてもではないが1連通の前目で守ることなどできない。

ならばその陣形を崩せばよい。F4Eは開幕から最速でセンターに飛び出る。もちろん煙とUAVをセットで使い、AfteR-SRの射線は潰しておく。F4EとしてはAfteR-SRは2R目ではコの字、3R目では鉄板にいたことを確認しており、移動型のSRであると認識しているならばロングに煙を焚くのは必須となる。

しかしこのラウンド、ahqはセンター詰めを行わない。詰めているのはハテナであり、資材狩りを行う。Apina-SRは本来であればこれほど身体は出さず頭1個出して待てばよいのだが、どうしても敵が前に出てきているとわかっていると倒して味方を楽にしてあげたいという思いが強くなる。

それをあざ笑うかのように倒して逃げていくBow。それでもrionがステージまで確保していることで、Bowのポジションは限られてくる。 いっそのこと引いてしまえば良いと思うのは外野の意見で、実際にプレイしているBowとしてはまだこのポジションでこの試合では一度も撃ち負けていないのであり、引く理由がないのである。

とはいえ、実際には負けてないというよりも味方のカバーや配置による安心感があってのものであり、カバーが期待できず背後を取られるかもしれないというリスクを抱えながらの撃ち合いでは当然結果も異なってくる。

人数不利となっていたF4EはBoboboのキルで4:4に戻す。Boboboのキルに合わせてClutchが煙のピンを抜き、2連通前に焚く。1連通前目クリア→センター煙→連通合流からの鉄板攻めという1攻めの綺麗な形。1キル発生と同タイミングでの煙+拠点を抑えている状態からの寄りに対しては、守りはシフトが間に合わず人数で押されてしまう。

連通で1人倒してからの鉄板攻めでは、残りの1守りがどこにいるのかという問題が一番大きな課題になってくる。これが鉄板の右壁張り付きなのか、ハテナからウラ取りをしているのか、鉄板階段なのか、わからないからといって立ち止まってしまうと、敵の2連通からのシフトや資材経由のウラ取りが間に合ってしまって攻めが失敗する。

ところが今回の場合は鉄板で2.0Manが交戦してくれたことにより、その疑惑がすべて払拭され、その2.0Manさえ倒せば1中は取れるという雰囲気になる。これがさらに1取りを勢いづける。

2.0Manとしても交戦せざるを得ない。なにせ47xは絶賛ウラ取り中であり、引いて守っていても47xが裏を取るまでの時間を稼ぐことができない。2連通のDPowerからは煙で見えないという報告も入っており、カバーの期待はできない。後方のAfteR-SRが1中でポジションにつくまで耐えて時間を稼ぎたい。無理をしてでも稼がざるを得ない。

結果、撃ち負けたが、2.0Manは”良い立ち回り”をしているのである。

続きます。

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